2010/06/04

どんな芽が出るか

 どんぐりという植物があります。リスとか熊がバリバリ食うヤツです。最近ではイベリコ的な豚が食うことで有名になったでしょうか。僕たち自身、大人になるとあんまり見かける機会はなくなりますが、子供がちいとばかしデカくなり始めると、再びどんぐり拾いという懐かしい野外活動に駆り出されることになります。僕も昨年の秋にどんぐり公園でどんぐりを拾ってきました。さすがどんぐり公園だけあって、いろんな種類のどんぐりが転がってました。

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 いやー、満足満足。箱に一杯集めたよってなもんです。しかし大事なのはここから。どんぐりってのは拾うところまでは良いが、そこで終わるケースがあまりにも多いのです。

 人というのは日々忙しさに追われていると、つい大切なことを見失ってしまうことがあります。これはもしかすると現代特有の問題と言えるのかもしれません。そうやって僕たちは、どんぐりが「種」である、という当たり前のことも、いつの間にか忘れ去っていくのです。これではどんぐりが不憫でなりません。。。。と言うことで、埋めました。わざわざプランターやら土やら買ってきて埋めてやりましたよ。

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 デカどんぐり、フツーどんぐり、トンガリどんぐりなど色んな種類のどんぐりをとりあえず適当にばらばらと撒き、そして土をかぶせて目が出るのを今か今かと待ちました。ってかどんぐりなんて埋めて本当に芽なんて出るんか??って感じです。

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 待ち続けるうちに、冬将軍がやってきて、どんぐりプランターの上にもどっさりと雪が積もりました。あ、終わったな、と思いました。どんぐり死んだって。しかも今年の冬はマジハンパない感じで雪が積もって大変でした。雪かきに追われているうちに、そもそも、どんぐりを埋めたことさえ忘れてました。ちなみに雪だるまの目に使っているのは、どんぐりではなく栗です。栗を雪だるまの目に使うとカワイイ感じになるのでご参考までにお伝えしておきます。

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 しかし、なんとも驚くべきことに、僕たちに忘れ去られても、邪険に扱われようとも、どんぐりどんは雪の下でがんばっていたのです。4月になり桜が咲き、ここ富山の田舎も色んな植物が一気に芽吹き始めました。そんな4月の末に例のプランターの近くを通りかかったら、なんかちっちゃいのが芽を出しているじゃありませんかー!これには正直驚きました。どんぐりが「種」ってのはわかっちゃいたけど、本当に双葉が出てきたりするとちょっとした感動です。

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 それからさらに2週間くらいすると、驚くべき量の新芽が次々を顔を出してきたじゃありませんか。出芽率高過ぎ。埋めたどんぐりほとんど芽が出たんじゃね?って感じです。どんぐりどんが埋まっているに決まっているけど、土の下は一体どうなってるのかもう気になって気になって仕方がありません。そんなワケでほじくり返してみました。そしたらホントにちゃんとどんぐりどんから芽と根が出てました。すげー。ここからわかることはどんぐりどんは横向きに埋めないとイカンってことですね。チューリップや水仙のように球根的な芽の出し方ではないことがわかりました。しかも小さな葉っぱが、ちゃんとどんぐりなのがめちゃ可愛いです。

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 それからさらに1ヶ月の現在(6月3日)、プランターはちょっとした森になってます。というか森過ぎたので、デカイやつだけ引っこ抜いて、植木鉢に移植しました。まーあの時集めたどんぐりどんがこんなにも青々と茂ることになるなんて想像もしてませんでしたから、これにはビックリです。 

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 これから先、我が家のどんぐりどんは一体どうなるでしょうか。大木になるのでしょうか。詳細は追ってご報告します。

 どんぐりは種である、ということはみんなが知っています。だけど、どんぐり拾いが公園での遊びに変わった瞬間、それが種であることはスッカリ忘れて、拾うだけで満足してしまうわけです。僕もこれまでの人生で、幾度となくどんぐりどんを拾ってきましたが、埋めて発芽させて、鉢植えにまでしたことは一度もありません。ってか、そんな発想もありませんでした。昨日の記事にも書いたように、現代人はとにかくインプットは多いです。この10年で見ても飛躍的に多くなっていると言えるでしょう。しかし、一方的に与えられる情報だけでは、そこからアイデアはなかなか生まれません。情報ってのはアイデアの種と言えます。集めるだけで終わっちゃもったいないですよね。アイデアの種も、どんぐりどんと同じように、土に埋め、肥料を与え、水を与えてみたらどうでしょうか。もしかしたら、想像もしていなかったようなアイデアの芽が顔を出すかも知れませんよ!

2010/06/03

クダラナイことから真理を見つける

  「アンテナを高くしろ」って最初に言った人は誰なんでしょうね。感度を良くして色んな情報を吸収しとけって意味なんでしょうか。でも、これってみんな、全員、世界中の人が「そんなに簡単にできりゃやってるよ」ってツッコみたくなるアドバイスでもありますよね。そもそも、そのアンテナの感度を測る方法もよくわかんないし、結局は出来る人は出来る、出来ない人は出来ないってことで落ち着く、と。

image 例えば最新のケータイの機種の情報とか、iPadとかKindleみたいな新しいデバイスについて、やたらと詳しい人がいます。「あ、そのケータイ、もしかしてN903?先週出たヤツだよね?」的な会話が出来る人です。どうやっていつそんな情報を仕入れているのか不思議でなりません。大抵「いや、ネットに出てたからさ」って軽く言いやがるわけです。知らねーよ。わかんねーよ。

 電子デバイスやガジェットに関してはやたら詳しかったお友だちも、ファッションの話になるとからっきしだったり、映画の話になるとさっぱりだったり、なんてことは当然起きるわけで、ここからわかることは所詮人は興味がないものに対して感度を高めることは無理か、無理じゃないなら苦行だよってことです。

 世の中情報なんて売るほど溢れてますから、全部頭にインプットするなんて無謀も良いとこですよ。やるだけ無意味。って諦めていたところに Apple が颯爽と現れて、無謀じゃないよ、コイツでキミのデジタルライフは変わるんだぜって iPhone や iPad が登場してきたわけです。これじゃ日本のPCメーカーが Apple に苦戦するのは仕方がないですよね。 Apple は僕たちのライフスタイルを変えちゃったんですもん。それに対して搭載しているCPUが Intel のなんとかってプロセッサだから凄いんです、なんて旧世代の戦いを挑んでいるわけですから勝負にならないですよね。

 そうは言っても Apple がこのまま独走することはありません。似たような製品や、あるいは Apple を超えるような製品もいずれ出てくるでしょう。間違いなく言えることは、情報の管理はますます便利で簡単になるってことです。インターネットはパソコンを起動して接続するものではなく、手のひらにあるデバイスからいつでもつなげられる時代になったのです。そうなると、これまでのように「たくさんの情報を集める=アンテナが高い」という概念そのものが崩れ去るのかも知れません。

 そして不思議なことに、このように高度にテクノロジが発達したからこそ、逆に真理を探求する力、それこそ古代から存在する哲学とでも言える根源的な思想が今一度求められているのではないか、と思うわけです。超便利なデバイスってのは、諸刃の剣でヘタすると頭がバカになっちまいますからね、なんとかそうならないよう、たとえクダラナイことであっても、常に一歩深く考え、真理を探求する癖をつけたいものです。僕はそれを Deep Dive と呼んでいます。

ブログ開始のお知らせ

 こんにちは。筏井です。

 なんというかブログを書くのも随分久しぶりです。久しぶり過ぎて、そうこうしている間に、僕はマイクロソフトを退職して、勢い余って独立してしまいました。ここしばらく地元に引きこもって鳴りを潜めていましたが、そろそろ本格的に始動します。

 世の中は相変わらず不景気で大変です。経済だけでなく政治まで混乱しているから手に負えません。かと言って悲観ばかりしていたら、それはそれで健康によくありません。実際のところ、これだけ不景気であってもまだまだ打てる手はたくさんあります。これはMS勤務時代から言い続けていますが、結局のところ壁は、既成概念やこれまでの慣例を壊せない自分たち自身にあって、それを壊すことが一番大変なんです。

 時代が変わる時はチャンス、不景気はチャンス、なんてよく聞きますが、それをマイクロソフトという安定した企業に勤めながら説いて回っても、たぶん気合が伝わらねーな、そう思いました。そんなワケで、まずは僕たち自身が厳しい環境の中で鍛えられなきゃイケないな、と。僕が中林氏と共にマイクロソフトを退職したのは、そんな些細な理由からです。世界有数の企業の社員から、地方の零細企業の経営者になって早1年、この間、非常にキツかったですが、おかげで随分と考え方や感度が変りました。

 これまでの経験と新しく得た知識を、ひとりでも多くの人に伝え、その一人ひとりが激しい競争市場の中で獅子奮迅の働きができるようサポートするのが、今現在の僕たちのミッションです。と言っても相変わらず僕は堅いのが嫌いなので、いかにして仕事を楽しくするか、面白くするか、ここんところに徹底的にこだわっています。しかめっ面をして売上データばかり眺めていても売上は増えません。間違いありません。そんなつまらないことより、むしろ楽しいことを追求していく方が実はよっぽど売上に繋がるし、働く気力もじゃんじゃん湧いてくるってもんです。

 長くなってしまいましたが、このブログでは僕が個人的に、日々の中で気づいたちょっとしたことや思いつきを記録していきます。会社のWebサイトの方も今後定期的に更新していきますので、ぜひ、というか絶対、合わせてチェックしてください。ヒマだったらで良いですから。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

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